- Posted by kajimoto (@nuan_kaji)
- 2010.11.26
- Report
桜が散るころ、ちょうど河川敷では菜の花がざわめく。初夏の新緑は、太陽が高くなるにつれ漆黒のように深みを増す。
人々の追憶を切り取るような、懐かしい情景を掘り起こす「matohu(まとふ)」2011年春夏コレクション。“日本の眼”第二章となる今季は、“かさね色目”の核心とも言える“色と色”の重なりへと、より深く斬り込んだ。
そもそも色というのは光の波動。その波長に基づき判断される色というのは、映像や画像では再現しきれない繊細さを持つ。今まさに自分が眼にしているこの花の色は、二度と出会えないものかもしれない。現代人が忘れがちな、一刹那の“美”をいとおしむ心、それを秋冬とはまた異なる瑞々しいタッチで描き出していた。
匂い立つような爽やかな色使いと軽やかな素材感、そしてアシンメトリックな造形美。定番の長着にもそのエッセンスを潜ませ、人々の記憶を揺さぶるとともに、やがて訪れる新シーズンへの期待感を否応なく掻き立てる。
トップスの胸元や裾から色を覗かせたり、オーガンジーの透け感に色をのせたり、そこから強い色を覗かせたり。季節とともに移り変わる色の数々も、生地を重ね、差し色を加えて表現することで、より強く人の心を惹きつけるという、色本来の力に改めて気づかされる。
テキスタイルの追求にも新たな試みが。ショーの後半では、日本やインドでの工房で出会った天然染色の手法を落とし込んだアイテムが並ぶ。鮮やかなイエローや瑞々しいピンク、どこまでも深いインディゴブルーなど。また、デニムや製品染めを施したラフな素材使いは意外性もあり、とても新鮮だ。
朝顔のように広がるパターンで仕立てたスカートや、歪みを持たせたワンピースがその好例。昨シーズンから続く人々の日常に寄り添う優しさを、よりわかりやすく伝わりやすく表現しながらも、「matohu」本来の美意識を貫く。そうすることで所謂“カジュアル”な要素を格調高く見せていたのも印象に残る。
さらに特筆すべきは“染め直し”という新たな提案。天然染色ならではの退色という色の変化を、ひとつの“味”としてポジティブに捉える。時間の経過とともに色が褪せたものを1度目は無料で染め直してくれるとのこと。同じ色にも(濃淡の差は若干出るとのこと)違う色にも染めることが可能だ。季節の移り変わりを楽しむように、洋服でも“変化すること”を楽しむ。ひとりひとりの希望に密に添う提案は、今後のファッション業界にとっても重要な鍵となりそうだ。
今季もすべてのルックに名前が付いている。“花冷え”“朝霧”から始まり“山吹”“夏の星座”、“花火の記憶”など。ラストシーンでは、モデルたちが縦横に並んでランウェイに再登場。かつて私たちの側を通り過ぎてきた懐かしい風物詩の数々が、爽やかな風を巻き起こし、心地良い余韻を残して去っていった。
今回のJFWを通して感じたのは、いい意味でデザイナーたちが“ふっきれて”いたこと。トレンドに惑わされず、自身の感性を信じる。さりとて孤高に走ることなく、“モードとは何か”を優しく人々に提示する。各々が思い思いの形式でコレクションを発表していた今季、「matohu」の提案はどこまでも王道だった。しかし美に対するゆるぎない信念、それに裏付けられた“王道”というのは人の心を強く揺さぶり、印象を残し続けるものなのだと改めて感じる。
今回「matohu」が柔らかな陽光とともにもたらしたのは、日本のファッションシーンを明るく照らす“希望の光”だ。
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- matohu
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- 「まとふ」と書いて「まとう」と読む。日本語独自の概念である「纏う」という動作にこめれらた、体を包む空気感としなやかな日本人の感性を表現するブランド。独自の美意識に基づいた、西洋でも和でもない新しい「服」を提案する。流行に流されないで、すぐに消費され捨てられる風潮への「待とう」という呼びかけを内に秘めている。
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matohu
[先行受注] *襟元タックブラウス-無地
¥24,150
特筆すべきは美しい発色と透明感。からみ織りという手法で、まるで点のような透け感を生み出したコットン素材のブラウス。“日本の眼”の第二章として「matohu(まとふ)」が提示したのは、四季の移ろいと共に変化する“色”の世界。刹那的・瞬間的な色をいとおしむ、そんな日本古来の美意識を現代の日常に落とし込んだ2011年春夏コレクションから届いたアイテムです。
matohu
[先行受注] *ロングジャケット-リネン
¥68,250
フロントの素材はリネン100%。特殊な起毛加工を施すことで、しわになりにくく仕上げたというリネン素材のジャケット。身頃の内側には長いストラップがついており、それをウエスト横のホールから通して、リボンのように結んだり。またリボンは身頃内側に留めたままにして、ボタンだけで閉じたり。定番の“長着”のスピリットを落とし込んだようなデザインですが、よりラフな雰囲気で楽しめます。
matohu
[先行受注] *玉虫ストライプ長着
¥168,000
ランウェイでは“夕暮れの波(ブルー)”“筍(グリーン)”と名づけられて登場した春色の長着。筍をイメージしたというテキスタイルも、玉虫色のような繊細な光沢を忍ばせることで「matohu(まとふ)」ならではのモダニティが息づくものとなりました。
matohu
[先行受注] *かさねスカート-オーガンジー
¥51,450
ダイレクトに映し出される“色”よりも、何かを重ねてそこから浮かびあがる“色”は、より強く人の心を惹きつける一色の持つ、不思議な魅力を体感させてくれる2枚重ねのスカート。上に重ねたのは縦糸にシルク、横糸にコットンを用いたオーガンジー素材。縦糸のみに色を用いることで、淡いながらもどこか味わい深いストライプ生地となっています。そこから透ける、絡み織りのコットン素材はヴィヴィッドな色彩でもとても上品。上の軽やかな素材感も相まって、色の余韻をより印象深く残してくれます。
matohu
[先行受注] *脇タックドレープワンピース-オーガンジー
¥45,150
匂い立つような爽やかな色使いと軽やかな素材感、そしてアシンメトリックな造形。3つの要素が絡み合うことで、繊細ながらも他にはない上品な女性らしさを纏わせてくれるワンピース。透き通るような素材感を持つオーガンジーは、縦糸にシルク、横糸にコットンを織り交ぜているそう。縦糸のみに色を用いることで、淡いながらもどこか味わい深いストライプ生地になりました。その生地をわざとバイアス使いにすることできれいなドレープが出たというだけあって、着たときに感じるフェミニティは極上。右サイドのたっぷりとした量感が、新シーズンにぴったりのフレッシュな美しさを味わわせてくれます。
matohu
[先行受注] *絞り染め半袖ワンピース
¥38,850
2011年春夏コレクションのシーズンテーマは“かさね色目 ? 春夏”。季節の移り変わりとともに変化する自然の“色”、日々取りこぼしてしまいがちな美しい色の数々を、今季、モードの世界に花開かせてくれました。その中でも「matohu(まとふ)」が着目したのは、天然素材を用いた染色方法。マリーゴールドの花(マリーゴールド)や、インディゴ(インディゴブルー)、アカシアとざくろの皮(焦げ茶)で染めあげたワンピースは、ブランドの美意識と天然素材ならではの優しさが混ざり合う、不思議な浮遊感に包まれた1枚。
matohu
[先行受注] *スクエアショール-絞り染め
¥15,750
グラデーションのように色の濃淡が浮かび上がるテキスタイルは、インドの伝統的な絞り染めによるもの。マリーゴールドの花(マリーゴールド)や、インディゴ(インディゴブルー)、アカシアとざくろの皮(焦げ茶)など天然素材で染めあげた、シルク素材のストール。匂い立つような爽やかさで、コーディネートにフレッシュな息吹をもたらしてくれる1点です。季節の移り変わりとともに変化する自然の“色”、日々取りこぼしてしまいがちな美しい色の数々を、モードの世界で花開かせた「matohu(まとふ)」2011年春夏コレクション。ブランドの色に対する深い愛情を、この1枚でも十分に味わえます。
matohu
[先行受注] *切り替えロングカーデJQ
¥26,250
まるで泡(あぶく)のようなアイレットはジャカードで表現。まるでサイダーのような“スカイブルー”と、夏の星座を思わせる“ブラック”の2色で展開されたニットカーディガン。インにも色の強いアイテムを合わせれば、アイレットの隙間からその色が所々に覗く仕組み。色と色を合わせることで、着る人のセンスや個性を表現する“かさね”本来の美意識をモダンに楽しませてくれる1点です。




































