- Posted by nuan+ (@nuanplus)
- 2010.09.09
- Report
インスタレーション形式で発表を行った、今季の「everlasting sprout(エヴァーラスティング スプラウト)」。
シーズンテーマに宮沢賢治の名作“注文の多い料理店”を掲げ、彼の紡ぐ“言葉の面白さ”からなる独特な世界をeverlasting sprout流に再構築した。ステージの中央に中古家具をリメイクした小屋を設置。チェロやアコースティックギター、トイピアノが奏でるノスタルジックな調べを背景に、猫型マスク姿のモデルたちがゆっくりとした足取りで登場する。
ビーズを随所に編みこんだテキスタイルに加え、深みのある赤茶色、ネイビーなどの色使いでファンタジック&ダークな展開を見せるものの、持ち前のポエティックな可愛さはしっかり残したラインナップ。ニットボレロやゆるいシルエットのパンツスタイルで絶妙なガーリームードを纏わせていた。
山猫軒の壁紙をイメージしたというテキスタイルのワンピースや、足もとを飾るふわふわのシューズカバーなど、余念のない世界づくりも見所。思わず笑みを浮かべてしまうほどの愛らしさと、ノスタルジックな(でも決して懐古的ではない)空気感が、見る人の心を暖かく包み込む。
今回、新たに提案するのは花をイメージしたというハンド刺繍の数々。多彩な色や素材感を、ニットとはまた異なる表現として多用しながら、宮沢賢治の世界を見事に描き出していた。
“リアル”に歩み寄る提案が多い中で、独自の世界を貫きながらも、着る人に近づこうと試みるデザイナー・村松氏の服と人に対する“優しさ”と“ものづくり”に対する真摯な姿勢が伺える。日常に心の潤いをもたらす、温もりのクリエイションが出揃った。
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