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チダコウイチ:「ファッションが来た!」鮮烈な印象を受けたよ

新進気鋭のブランド、writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)のデザイナー・山縣良和氏。nuan+でもすっかりお馴染み、fur furやcarlife等、数多くの人気ブランドのディレクションを手掛けるチダコウイチ氏との夢の対談が実現。

nuan+: チダさんと山縣さんが最初に出会ったのはいつですか?

チダコウイチ: かなり前ですよ。山縣君が日本に戻って来て間もない頃。今は山縣君は有名だから、その後、実はいろんな人から彼を紹介されるんですよ。「おもしろい海外から来た人達の変な軍団みたいのがいて、その中心人物に会ってみる?」って。でも、もうすでに会ってたんでね。

僕の元スタッフが紹介してくれたのがきっかけです。「会わせたい人がいる」って言われて。彼女が以前、ロンドンのセレクトショップで働いていた時に山縣君と出会ったらしいんだけど、話を聞いてると何か上から目線な感じだったんですよね。「会ってあげる」みたいなね。(笑)

山縣: えっ、え~!? そんなことないですよ!

チダコウイチ: だから、「そんなヤツにはオレ会わねぇよ!」って言ったんです。でも結局会うことになって、そしたらすごい楽しかったんです。いいヤツって感じで、今でもよく覚えていますよ。

僕が学校卒業してアパレル業界に入ったのは20年前なんですけど、学生の時って、「服をデザインしたい!」って気持ちがものすごい強いじゃないですか。あの20年前感じた感覚が、世代は全く違う山縣君にはまだ残っているなって直感しました。

ほら、洋服を使っての直接的なデザインに今の子は驚きを感じていないじゃないですか。僕らのちょっと前の時代って、そんな驚きがたくさんあったと思うんです。例えば、名前は格好悪いけど、DCブームっていうのがあったでしょ。僕らの時代にもまだギリギリデザイナー的な驚きがあって、ちょうど僕らの世代くらいから違うムーブメントが出てきましたね。カルチャー的なものがおもしろいとか、ストリート的なものがおもしろいとかね。アートという切り口がまだ前面には出てきてなくて、完全にファッションとしてのアートだったんです。そこからいろいろな見せ方だったり、ファッション以外のいろんなカルチャーが混ざってきた。

山縣君に最初に会った時、「あっ、ファッションが来た!」って思ったんです。昔、ファッションが強かった時代の感じを蘇らせてくれたというか、僕自身いろいろ考えさせてもらった。いい意味での  “おもしろい感覚”  でした。

山縣: 僕、「ファッションじゃない」ってよく言われるんですよ(笑) だから、「ファッションが来た」って思われたのが、すごいおもしろいです。「ファッションか?アートじゃないのか?」みたいなこと、いろいろ言われてるので。

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チダコウイチ: 僕が思うに、今の日本にはなくなっているような気がするんだよね。あっ、山縣君が古いって言ってるんじゃなくて! 「アートです」って取り上げたいバイヤーの人はまだいるけど、実際作ろうとする人がいなくなってるのも事実じゃない。で、ちょっと前だったら、いわゆるアート的なことをやってTシャツ売る人もいたけど、山縣君はそうじゃないから。

だから、やっぱり今なんだけどね。僕らの時代は洋服でそういうの挑戦する人っていたんだけど、今っていないからさ。ビジネスに挑戦する人はいてもね。

でも、山縣君はそれとはまた違う所で挑戦しようとしている気がするので、もちろんそれは新しい流れなのかもしれないけど、会った時すごく新鮮だった。

nuan+: 山縣さんから見たチダさんの第一印象は?

山縣: すごい気さくな方だなと思いました。お会いする前から存じていたので、どんな方なんだろうって。緊張もするじゃないですか。で、お会いしてみたら、すごい喋りやすいというか、オープンマインドという感じで。初対面なのに話がすごく盛り上がったというか。

nuan+: その時って、具体的に何をされていたんですか?

山縣: 本当に日本に帰ってきたばかりで、これからどうしようかなって時だったと思います。

チダコウイチ: まだちょっと外国の匂いがしてましたよ(笑)

nuan+: 会ってすぐに、一緒に何かやってみようということになったんですか?

チダコウイチ: それはなかったね。ただ、人と会ってて、おもしろいなって思える人、感性を感じる人ってそうはいないじゃないですか。彼の体から強くそれが出ていて。動物的な感と言うか、変わり物好きというか、山縣君からはすごく特殊なものを感じたんです。もちろん彼からすれば、特殊ではないのかもしれないけど。普通にデザイナー目指している人とは違う方向を見ているなと。

nuan+:最初に一緒に仕事をされたのはいつですか?

チダコウイチ: furfurの前身のOUT of ACTIONを僕がまだやっていた時ですね。当時、写真家やアーティストなど毎シーズン色々な形でコラボレーションをしていたんです。で、山縣君と古橋(furfurのデザイナー)をくっつけたらおもしろいんじゃないかって思って。古橋はまだ僕の直接のアシスタントになったばかりで。

それが楽しいし、そこからまた何かが生まれる、でも人によってやり方も進め方も全然違うんでね。で、山縣君とだったら何ができるんだろうって、それで何となく始めたというわけ。

山縣: そうでしたね。「ああしよう、こうしよう」ってゆうんじゃなくて、「何かやろうよ」みたいなアバウトな感じで始まって、アバウトな感じで終わったというか。あ、これがチダさんのやり方なんだなって思いました。

チダコウイチ: 多分、やり方は人によってがらりと変えるけどね。

今コラボレーションって、大きなブームがあって、もう普通になったっていうか。でもそういうのじゃないんです。僕がコラボレートするのって。もっと自分の記憶に残る日々の事だったり、もしくは目立たないかもしれませんがチョットした満足のいく面白い視点だったり。

すごい山縣君テイストですよね。布団みたいな、女の子が続いているような感じ。

>>nuan+: 山縣さんテイストと言えば、先日の2009年秋冬のコレクションも、かなりセンセーショナルでしたね? しかも、テーマが「0点」なんて。

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